2017年12月11日月曜日

尺八のデザイン

今更なんですけど、尺八って、結構デザインの美しい楽器ですね。

僕が初めて「デザインが美しい」と思った楽器はチェロです。で、次がギブソン・レスポール。両方ともふくよかな丸みを持った美しさなのに対し、尺八はただの長細いだけの笛だと思っていた時期がありましたが、尺八の持つ節の規則性やバランス、そして長細い中にある曲線美などは面白いですね。

以前にも書きましたが、僕の吹料は九州・熊本の阿蘇地方にお住まいであられた、故・利道道仁師作の1尺8寸管です。

有名銘柄の高級品というわけではないのですが、阿蘇地方のカントリーサイドな雰囲気そのままの、素朴な音色のする楽器です。竹盟社師範を許された時、利道さんにお願いして作って頂きました。

僕は昔、古管好きで、ずっと古管を求めていた時期が長かったのですが、途中で考えが変わり、「今ある新品の中から自分に合ったものを選び、それを『古管』になるまで使い続けよう」と決心したのです。「地産地消」という言葉がありますが、僕は九州の人間なので、折角尺八を作ってもらうなら、九州の尺八制作者に、九州の竹材で作ってもらいたいなと思ったんです。九州の空気を吸い、九州の水を飲み、九州の大地を踏みしめて生きてるわけですから。そういう人間だからこそできる音楽を演奏出来たらなと思っています。


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