2017年9月23日土曜日

【web演奏会】外曲の部 山田流箏曲「さらし」

35回山口籟盟web演奏会【外曲の部 山田流箏曲「さらし」深草検校作曲】

9月に入って、久しぶりに「さらし」が吹きたくなり、練習してみました。
速くて手がまわる曲なので、ふだんゆっくりな曲ばかりやっている自分にとっては結構大変でした。大好きな曲なので、これからも稽古していきたいです。いくつか「ちょいミス」がありますが、今回は「ご愛嬌」でお願い致します。

ちなみに、下記の解説にもありますが、最近話題になっている、吉村蒿盟師手付の「早晒」は、この曲が器楽的に発展を遂げた別バージョンとなります。山田流では、中能島欣一師の「多重録音」で有名ですよね。今回の演奏は、山田流箏曲として広く一般に演奏されている方で、尺八の手付は木村友斎師です。




(まき)の島には、さらす麻布、賎がしわざに宇治川の、浪か雪かと白妙に、いざ立ちいでて、布をさらさう
(かささぎ)の渡せる橋の霜よりも、さらせる布に白みあり候
なうなう山が見え候、朝日山に霞たなびく景色は、たとへ駿河の富士はものかは、富士はものかは
小島が崎に寄る波の、小島が崎に寄る波の、月の光をうつさばや、月の光をうつさばや
見渡せば、見渡せば、伏見、竹田に淀、鳥羽も、いづれ劣らぬ名所かな、いづれ劣らぬ名所かな
立つ浪は、立つ浪は、瀬々の網代に障()へられて、流るる水を堰き止めよ、 流るる水を堰き止めよ
所柄とてな、所柄とてな、布を手ごとに、槙の里人うちつれて、戻らうやれ賎が家へ


地歌・箏曲。宇治川の布ざらしを描写した曲。抱一上人筆「吾妻唄」(1828、文政11以前成立)に収録されているので、早くから山田流で箏の手付が行われていたと思われるが、現行のものは小名木検校の箏手付という。片雲井調子で出て、部分的に多少の変化がある。なお、この「晒」の三弦曲をさらに器楽的に発達させたものが、京都に伝承される「早晒(はやざらし)」であり、山田流では三弦・箏とも即興的な手が入れられて、「新晒」として行われている。(『邦楽曲名事典』 平凡社 1994

「山口籟盟web演奏会」は、ふだんなかなか耳にする機会のない


尺八音楽を、インターネット上で公開する取り組みです。

2017年9月9日土曜日

【web演奏会】10分で琴古流本曲「下野虚霊」

34回山口籟盟web演奏会【10分で琴古流本曲(22)「下野虚霊」】
ふだんなかなか耳にする機会のない琴古流尺八本曲を
聴きやすい「10分程度」の演奏でお届けするシリーズです。

「裏の曲」2曲目は「下野虚霊」です。
『琴古手帳』によれば、一月寺御門弟秋曲子より伝来、秋曲子が「夕暮」を懇望したので、初代琴古が伝授したと記されています。

曲名に「虚霊」が付きますが、この曲には「イキナヤシ」など、いかにも「虚霊」らしさを感じる旋律形は感じられません。きらびやかさが際立つ曲ではありませんが、下野(栃木)の北関東らしい雰囲気を大切にしながら演奏したい楽曲です。

なお、旋律の繰り返しを除けば、琴古流本曲の中ではあまり長い方の曲ではなく、ここでも全曲通して演奏しております。



「山口籟盟web演奏会」は、ふだんなかなか耳にする機会のない尺八音楽を、インターネット上で公開する取り組みです。

2017年8月29日火曜日

中継ぎグリス

Facebookでのお知り合いから、中継ぎに使用しているグリスについてご質問を頂き、自分の使っているグリスをご紹介したり、その自分のグリスも丁度なくなってきたので新品を買ってみたりなどしましたので、この場でもご紹介させていただきます。

僕が使っているのは、「エーゼット 万能グリース 高速ベアリング用」という、工業用グリスです。

中継ぎグリスに関しては、色々な方にご紹介いただいて、リコーダー用やら、木管楽器用のコルクグリスやら、いろいろ試していたのですが、なかなか気にいる物がありませんでした。

そんな中、現在使用している楽器を制作されていた故・利道道仁師(熊本県阿蘇在住)にお借りした楽器のグリスが非常に素晴らしく、新品の愛管を受け取る時に何のグリスなのかお伺いしたところ出してきてくださったのが、この工業用グリスだったのです。

「工業用グリス!?」と初めは驚きを隠せませんでしたが、その「つるっ!」と入る、軋みのない感触は、これまでのどのグリスをも圧倒的に凌駕していたので、ご好意に甘えて利道さんからフィルムケースに分けて頂いて使っていました。




しかし、さすがに6年もするとこれが底を尽きかけていましたので、グリスをご紹介するにあたり、自分自身も新品を買ってみて、実際の使用感を確かめてみようと思い、本日購入してきました。





パッケージのデザインは、基本的に変わっておらず、製品の歴史を感じさせます。



肝心の中身ですが、う〜ん、やや異なっていますかねぇ…?



色が、以前のは「烏龍茶の薄い色」という感じの透明な茶色だったんですが、今回のはもうちょっと濁った色というか、片栗粉を烏龍茶に溶いたとでもいうような感じになっています。

つけた後の中継ぎの雰囲気も、以前の方が「つるっと感」が強かったような気がします。ちょっとだけ「さらっ」としている感じです。



まあしかし、どのみち以前のは殆ど切れてしまっているので、このグリスを使用していこうと思います。使い心地は悪くないです。


裏の注意書きを初めて見ました。
なんと、「素手では触らないように」になっています!
これまで、ずっと薬指で塗ってました。
塗った後は、すぐに石鹸で洗っていますが。
…結局、いつものように薬指で塗ってしまいました。






余談ですが、利道さんがおっしゃるには、1週間に一度は完全に拭き取って塗り直した方がいいそうです。中継ぎに着いたゴミ等で、滑りが悪くなったり、中継ぎが汚れると音にも影響がある(?)とのこと。僕の場合、完全に週一回ではないですが、「中継ぎが滑りが悪くなってきたな」と思ったら、ティッシュで拭き取って塗り直し、同時に尺八に椿油を塗ることにしています。

利道さんによれば、椿油も「塗った後の拭き取り」が大事だそうで、僕もベトベトのままにせず、必ずキッチンペーパーで拭き取っています。オイルを塗ると「ツヤが消える」のは、拭き取らないからだそうで、「染み込ませよう」と思ってベタベタのまま置いておくのは逆効果で、ツヤがなくなるんだそうです。

2017年8月27日日曜日

【web演奏会】10分で琴古流本曲「三谷菅垣」

第33回山口籟盟web演奏会【10分で琴古流本曲(21)「三谷菅垣」】
ふだんなかなか耳にする機会のない琴古流尺八本曲を
聴きやすい「10分程度」の演奏でお届けするシリーズです。


web演奏会・10分で琴古流本曲シリーズ」、再開します!!

再開第1回目は、琴古流本曲の裏の曲の第1曲目「三谷菅垣(さんやすががき)」です。

「表」の曲は、琴古流本曲の中でも「標準形」というか「セオリー通り」とでも言うべき、整った形の楽曲が多いように感じます。一番最初にお習いする基本曲「一二三鉢返調」に始まり、滝落~京鈴慕までの「行草の手(竹盟社では「学行の手」とも)」6曲、普化宗において宗教的に最も重んぜられる「古伝三曲(+虚空替手)」、琴三虚霊~巣鶴鈴慕までの「真の手」9曲、合計18曲(現行では実質20曲)は、どれもある意味位置付けがハッキリした、手や旋律も崩されていない楽曲が多いと言えるように思います。

それに対して「裏」の曲は、「表」にはない、その曲独自の個性的な手や旋律、作曲者がハッキリ分かる新しい楽曲、そして普化宗の宗教的な意味合いよりも、芸術面に重きを置いた表現豊かな楽曲が多いように思います。「裏18曲」(現行では実質16曲のカウント)を一曲ずつ味わいながら、大切にこの「10分で」シリーズで公開して行けたらなと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。


さて、その「三谷菅垣」ですが、『琴古手帳』によれば、初代琴古が長崎・正壽軒において、一計子より伝授されたとあります。古伝三曲や「鹿の遠音」などと一緒ですね。

「三谷(さんや)」という曲は、琴古流に限らず、広く古典本曲を伝承している諸派によく見られる曲名です。その意味には諸説あり、漢字表記も「山谷」「産安」など様々ですが、何らかの関係性を持つ同名異曲群と見て差し支えないようです。

「菅垣(すががき)」に関しては、「秋田菅垣」の時にも言及しましたが、雅楽や和琴の奏法名を由来として、江戸時代初期には箏や三味線、一節切など、楽器の垣根を超えた共通の要素を持つ楽曲名となったものでした。有名な箏曲「六段の調」も、古くは「六段菅垣」とも呼ばれていて、「六段」は「菅垣」から成立したことが伺えるのでした。「三谷菅垣」もこうした「菅垣」の一種であると言えるわけです。

曲名に「菅垣」と付くものは、本曲の割には拍子がしっかりとしている特徴があり、本来の独奏曲としてのみならず、社中総員での連管による演奏や、替手をつけての大合奏としてもよく出されます。また、本曲の中でも比較的初歩の段階で習う場合も多く、そういう意味で「三谷菅垣」は、琴古流本曲の中でも多くの人が演奏する機会のある楽曲と言えるでしょう。


今回は先ほど述べたような本手・替手合奏ではなく、三浦琴童譜通りの原曲を、抜粋なしで演奏しました。細かい手も、竹盟社で伝承されている通りを意識して演奏しております。

8月後半のまとめ

「而今の会」本番前日で更新が止まってしまっていました。

「而今の会」本番、「薫習庵演奏会」での残月、その後も「而今の会ブログ」の更新、休暇が終わって本業の再スタート…と、なかなか自分のブログが更新できずにおりました。



まず、「而今の会」本番につきましては、「而今の会ブログ」の方で詳しくまとめております。「笹の露」の演奏動画なども添付しておりますので、もしよろしければごらんください。


【而今の会の本番!】H29.8.21

その後、而今の会のふりかえり記事やインデックスの作成等を行い、これまで半年間、毎週更新していた「而今の会ブログ」も一区切りしました。

半年間とは思えない、とても充実した、飛ぶように過ぎた日々を思い出しました。
而今の会のメンバーのみなさま、そして毎回ブログを見て応援くださったみなさま、どうもありがとうございました。

【「而今の会」結成〜葉月の陣屋をふりかえって】H29.8.25

【「而今の会」ブログへ、ようこそ!!(INDEX)】H29.8.27





8月20日に開催された、「第2回 薫習庵演奏会」に関しましては、師匠・吉村蒿盟師のブログに取り上げてくださいましたので、そちらをご覧いただけたらと思います。


【薫習庵琴古流尺八アライアンス】
「残月」は、山口籟盟さんが演奏しました。(2017年8月)



長野〜関西は、レガシィの車中泊ツアーで参りましたが、この旅での走行距離は2,417km、レガシィの新車からの総走行距離は21万kmを超えました。






本日、オイル交換をしました。
5W30の部分合成オイルです。5,000kmに一度交換することにしています。





現在は再び公務の方に邁進しながら、尺八の方は琴古流本曲の「裏」の曲の方にとりかかっております。

2017年8月17日木曜日

而今の会、ついに前日!!

いよいよ明日が、而今の会前日です。

本日長野県入りし、午前中は「ジョイントweb演奏会」で共演した、
北海道大学、大学院生の中村 建さんを訪問しました。

「みだれ」本手・替手合奏などを吹合せしました。




午後は、東さんとJR岡谷駅で合流し、駒ケ根の大庫さんのお宅へ。
詳しくは、「而今の会ブログ」の
【而今の会・本番前日!!】H29.8.17
をごらんください!!



明日が本当に楽しみです!

2017年8月11日金曜日

而今の会より、みなさまへ

とうとう、「而今の会」も、本番まで残り1週間となってしまいました。
「而今の会」3名で作り上げた「お知らせ」ビデオです。



而今(にこん)の会について
インターネット上での三曲合奏「ジョイントweb演奏会」をきっかけに、大庫こずえ、東啓次郎、山口籟盟の3名が「生演奏でのライブ」を敢行!!
居住地や流派、演奏キャリアに左右されず、地歌箏曲を愛する3名が「同志」として、新しいスタイルの三曲の在り方を創り上げています!

「而今の会ブログ」:http://nikonnokai.blogspot.jp



葉月の陣屋 三曲の宵
「而今の会 演奏会」

日時:2017年8月18日(金)
野点薄茶席・地酒「今錦」呑みくらべ…17:00~
而今の会 演奏会…19:00~
会場:飯島本陣陣屋(長野県上伊那郡飯島町飯島2309-1)

~演奏曲目~
六段の調(:大庫こずえ、東啓次郎
秋の七草(:大庫こずえ、尺八:山口籟盟
黒髪(三絃:東啓次郎、尺八:山口籟盟
夕暮の曲(尺八:山口籟盟
笹の露(三絃:大庫こずえ、箏:東啓次郎、尺八:山口籟盟


入場料:2000円